2004年度後期講座

2004年度の後期に開催した講座をご紹介します。

2004年度

[語学]うれし、たのし、ハングル~中級~

●10月25日(月)開講 18回(04年10月~05年3月)  毎週月曜18:30~19:50 
●会 場 さっぽろ自由学校「遊」  
●受講料 一般30,000円/学生24,000円 

韓国ドラマや映画のヒットで、ますます身近になってきた韓国。でも、わたしたちはどれだけお隣の国のことを理解しているのでしょうか? 言葉を学ぶことは、その言葉を話す人々の文化や歴史、考え方を知ることに通じます。さあ、いっしょにハングルのエネルギッシュで奥深い世界を旅しましょう! きっとわくわくする出会いが待っていますよ。
文法は理解しているのに、ちっとも言葉が口からでてこないと悩むあなた、もっと表現力を磨き、語彙をふやして会話力をレベルアップしたいあなた、とにかく韓国語のシャワーをいっぱい浴びよう。授業は韓国語で進めます。

[語学]やりくり中国語会話

●10月18日(月)開講 全18回 毎週月曜19:00~20:30 
●会場 さっぽろ自由学校「遊」
●受講料 一般30,000円/学生24,000円  
●最少催行人数 5名
●何 暁光 (か ぎょうこう)
皆さん、こんにちは! 美味しい青島ビールは私の故郷の名産です。私は中国の大学を卒業して日本の先進的な経営手段を習うために去年の3月に札大に入りました。大学の2年生のときに中国の標準語のレベル試験を受けて一級の乙等を取りました。ですから中国語の発音に自信を持っています。皆さんと一緒に良い中国語の発音をできるように努力したいと思います。

全くの初心者を対象にしたクラスですが、中国語を習ったことのある方でもう一度初歩からやり直してみたいという方も大歓迎です。講師の何さんは日本語も上手で、丁寧に中国語の発音や文法について説明して下さる方です。一緒に中国語を習いながら中国の文化などにも触れてみましょう。見学も可能です。

[語学]世界一周語学講座~アジア編~

●10月14日開講 全16回(各コース4回)毎週木曜18:30~20:30
●会 場 さっぽろ自由学校「遊」  
●最少催行人数 5名
●受講料 一般16,000円/会員・学生12,800円 1コース 一般6,000円/会員・学生4、800円
●申込期日 通し参加:10月7日(木)コース参加:各コース開始の1週間前(最少催行人数に達しなければ中止いたします)

【タガログ語(フィリピン)】10月14日、21日、28日、11月4日
●高橋 エスミ (たかはし えすみ)
フィリピン、ルソン島パンガシナン州出身。19年前に来札。今は2人の子どもを育てながら、歌手として活動中。昼間は英語教師も行っている。

【インドネシア語】11月18日、25日、12月2日、9日
●打診中です

【タイ語】1月13日、20日、27日、2月3日
●クルプラントン・ティラポン
1971年生まれ。タイ、ラチャブリ出身。現在、北海道大学文学研究科人間システム科学専攻1年。「タイは、アジアの中で観光地として人気がある国の一つ。タイへ旅行する前に、少しでもことばや文化にふれておくと、旅の楽しみが何倍にも広がります。」

【ベンガル語(バングラデシュ、北インド)】2月17日、24日、3月3日、10日
●khandoker Aklimunnessa(通称 ビューティ)
バングラデシュ出身。バングラデシュのNGOで子どもたちの教育や開発の問題に取り組んできました。現在は家族と一緒に札幌暮らし、日本語の勉強もしています。

地球人なら一度は考える世界一周の旅。しかし、時間がない現代人、お金がない貧乏人にとっては夢のまた夢。一方、近年の札幌の街では、外国人を見かける機会が多くなりました。それならば、札幌在住の外国人を講師に招き、お国の文化を紹介してもらい、簡単な会話を習っちゃいましょう。ノリのいい講師であれば、手料理を振舞ってくれることだってあるかもしれません。これから海外旅行を考えている人は、事前の言葉の練習に、海外旅行に行けそうもない人は、「行った気」になるために、お気軽にご参加ください。

[語学]英語で世界を読む

●10月14日(木)開講 
10/14 10/21 11/11 11/25 12/9 1/13 1/27 2/10(日程は変更になる場合もあります)
●受講料 一般14,000円/学生11,000円

●越田 清和(こしだ きよかず)
さっぽろ自由学校「遊」理事。アジア太平洋資料センター理事。ピナトゥボ山噴火で被災した先住民族アエタの支援・調査活動や、ODAについての調査・研究活動を行なう。 

英語で政治、経済、人権、環境に関する資料を読む講座です。「自分で調べて読む」が基本ですが、資料に書かれている事柄の背景を日本語で解説してもらいます。英語を読む力と世界を読む力が高まる講座です。

[文化]アイヌの弦楽器 トンコリを演奏してみよう~入門編~

●9月14日(火)開講 全3回 火曜または水曜18:30~20:30<9/14、9/15、9/21>
●会 場 さっぽろ自由学校「遊」
●定 員 前期講座の受講生+5名まで
●受講料 前期トンコリ講座の受講生3000円(自作トンコリを使用)、一般 5000円(トンコリは貸し出し)

●講師:早坂 雅賀(はやさか まさよし)
1967年生まれ、旭川出身。木彫家の両親の元で育ち、20歳頃から木彫を始める。2000年アイヌアートプロジェクト設立に参加。2001年トンコリの演奏を富田友子先生、トンコリの製作を杉村満氏に学ぶ。

トンコリは樺太アイヌに古くから伝わる弦楽器です。今年の前期講座では10数名がトンコリの製作に取り組みました。「せっかく作ったトンコリを演奏できるようになりたい!」ということで、トンコリ演奏の入門講座を行うことにしました。自作のトンコリのない方でも受講可能です。講座終了時までに何曲か合奏できるようになることが目標です。

[文化]アイヌアートデザイン教室

●10月6日(水)開講 毎週水曜13:00~15:00
●会場 さっぽろ自由学校「遊」
●受講料 5,000円/月 (材料費は含みません)
 ※継続を前提とします。

●講師:貝澤 珠美(かいざわ たまみ)
アイヌアートデザイナー。1974年8月10日平取町二風谷に生まれる。高校卒業後デザイン学校に通い、97年に独立。ファッション、インテリア、アクセサリー等、アイヌ模様をモチーフにしたオリジナル作品を製作している。

当教室ではアイヌ模様をいろいろな物(素材)にほどこして、自由に好きな物を作ってもらいます。材料は各自で用意していただくのですが、なるべくリサイクルでやってもらっています。とにかく、楽しくアイヌ模様をアレンジしてほしいです。

[社会]今、問い直したいメディア~オルタナティブなジャーナリズムの可能性~

●9月29日(水)開講 全6回 水曜18:30~20:30
●会 場 さっぽろ自由学校「遊」 
●受講料 一般6,000円 会員・学生4,800円(単発参加 一般1,500円 会員・学生1,000円)

世の中に関わって、報道・解説・批評をするというジャーナリズム。それは、今を生きていくのに必要な情報を得る手だてです。けれど、たとえばオリンピックの半月余、メダルの行方は丹念に追われ、大々的に報じられる一方、この世の行方がていねいに伝えられたとは言い難い。情報が「売れ筋」に片寄り、時には「売れ筋」が作り出されもする時、私たち情報の受け手は選択の余地をもてない情報の消費者と化しています。送り手と受け手とが直に向き合うなどして、ジャーナリズムのオルタナティブを考えてみませんか。

2004年9月29日(水)/【公開講座】
松本サリン事件から考える報道被害 2004年度後期 公開講座

●日 時 9月29日(水) 18:00開場/18:30開演
●場 所 かでる2・7/520研修室(札幌市中央区北2西7)
●河野 義行(こうの よしゆき)
1950年、愛知県生まれ。
1976年、長野県松本市に転居。
1994年6月、「松本サリン事件」に遭遇。自宅付近からサリンが発生していたことなどから、長野県警の家宅捜査を受け、マスコミからも容疑者扱いされる。
1995年3月、「地下鉄サリン事件」が発生。結果的に、「松本サリン事件」への関与が否定される。その後、国家公安委員長、長野県警本部長、マスコミ各社が相次ぎ謝罪。
2001年8月、犯罪被害者の支援機関、NPO法人リカバリー・サポート・センターに参加、現在同法人の理事を務める。
2002年7月、長野県知事より長野県公安委員に任命される。
現在、「報道改革」などを訴え全国で講演活動を行なっている。
著書に『「疑惑」は晴れようとも』(文藝春秋、文春文庫)、『妻よ!』(潮出版社)、『松本サリン事件』(近代文芸社)、『松本サリン事件報道の罪と罰』(新風舎、浅野健一氏と共著)

1994年6月27日深夜、長野県松本市の閑静な住宅街で発生した「松本サリン事件」。翌1995年3月20日早朝、東京都千代田区の営団地下鉄霞ヶ関駅で発生した「地下鉄サリン事件」。連鎖した2つの事件は、不可解な集団が関与していたことで、私たちの記憶の中に深く刻みこまれています。
しかし、「松本サリン事件」から派生した過熱報道、誤認報道の問題は、事件から10年経った今、私たちの記憶の中にどれくらい残されているのでしょうか。
この講演会では、「松本サリン事件」によるサリンの後遺症はもとより、マスコミによる犯人視報道という、二重の被害に遭遇した河野義行さんから、ご自身の経験と、その経験から考える、メディアにおける報道や人権のあり方についてお話いただきます。そして、私たちメディアの受け手が何を考え、何ができるのか模索したいと思います。

2004年11月17日(水)
報道と人権を考える~イラク人質事件報道から~

●黒田 理 (くろだ おさむ)
大学卒業後、西アフリカに半年間滞在。1990年、北海道新聞入社。富良野支局、東京政治経済部などをへて2000年9月から3年間、カイロ支局に勤務。戦争前後のイラク、パレスチナをはじめ、飢餓や紛争に苦しむアフリカ諸国で取材した。昨年9月から本社報道本部。東京都出身、40歳。

今年3月から4月にかけてイラク・サマワで自衛隊、ヨルダンなどで日本人人質事件を取材した。その後も国内で関連の取材を続けてきた。私も、一部マスコミが政府と一緒になってあおった「自己責任」批判の大きさに驚いた。被害者に対して、なぜそんな批判が沸き起こるのか理解できなかった。報道とは本来、どうあるべきか。みなさんと意見交換できればと考えています。

2005年1月19日(水)
メディアを読み解く~NIE運動の実践と可能性~

●小林 甫 (こばやし はじめ)
大学生時代は花崎皋平先生(さっぽろ自由学校「遊」共同代表)のデキノワルイ学生でした。が、何かを得ました。北海道深川での高校教師を経て北大教育学部助手、札幌学院大学勤務を経て、再び北大へ。教育学部、高等教育センター生涯学習計画研究部、大学院文学研究科に在籍。専攻は地域教育社会学。

高校教師の時はベトナム戦争と重なっていて、社会科の授業の時に新聞切り抜きを生徒と読んで議論しました。が、それは「偏向」教育だと校長から言われました。それから40年。NIE(日本新聞協会加盟各社と現場教師による、「教育に新聞を!」)の運動が盛んになっています。当日は、このNIE運動の現状とその持つ意味、またその成人への拡張(NIL、成人の学習〔Lifelong Learning〕に新聞を!)について議論し、市民とメディアとの関係についてご一緒に考えてみたいと思います。

2月開催予定
オルタナティブなメディアの胎動(1)~韓国インターネット新聞の衝撃~

●韓国のインターネット新聞の方、もしくは韓国メディアに精通している方
お隣の国、韓国では、既存の大手メディアに不信感をもつ市民の要求と、国家戦略として行なわれた情報インフラ整備を背景に、インターネット新聞が台頭しています。韓国市民から最も信頼されるメディアに成長したインターネット新聞の活動から、私たちにとって今必要なメディア、ジャーナリズムを考えたいと思います。
*詳細につきましては、後日チラシ等でご報告いたします。

2005年2月15日(火)
報道と権力~道警裏金取材を通じて~

●高田 昌幸 (たかだ まさゆき)
1960年、高知県生まれ。法政大学法学部政治学科卒。86年、北海道新聞社入社。小樽報道部、本社経済部、同社会部、東京政治経済部を経て、2002年9月から本社報道本部。現在は警察司法担当次長。著書は『警察幹部を逮捕せよ』(旬報社、共著)、『追及・北海道警「裏金」疑惑』(講談社文庫)。

報道機関と権力の一体化が叫ばれて久しい。記者クラブ取材や集団取材に安住する中で、報道内容の劣化はますます激しくなっている。北海道新聞は昨年秋から道警裏金問題の取材を続けているが、一連の取材は、新聞が本来の役割を取り戻す作業でもあった。「報道機関はいったい、だれのために何を報じているのか。権力と市民のどちらを向いているのか。情報はだれのものか」。取材班が自らに発していたこの問いの答えについて、みなさんと一緒に考えてみたい。

2005年3月9日(水)
オルタナティブなメディアの胎動(2)~札幌の市民参加型メディア

●吉村 卓也 (よしむら たくや)
1959年、埼玉県生まれ。NPO法人シビックメディア代表理事。北海道東海大学国際文化学部コミュニケーション学科助教授。大学卒業後、朝日新聞社に入社し、約8年間在籍。その後、米国ミズーリ大学ジャーナリズム学部に留学し修士修了。1996年夏、札幌に移り住み、2002年秋に市民によるメディア活動を行なう「シビックメディア」を設立。現在、「ウェブシティさっぽろ」「ようこそさっぽろ」などのサイト作成を通じ、メディア制作によるコミュニティの再生を考えている。

札幌で市民参加型メディアを運営するシビックメディアの活動から、私たちの地域におけるオルタナティブなメディア、ジャーナリズムの可能性を考えたいと思います。また、同様の活動をしている他の団体にも出席いただくことを検討しており、場合によっては複数の団体によるディスカッション形式の講座になるかもしれません。

[社会]こどもたちをとりまく世界を考える~こどもとともに生きていくために~

●10月1日(金)開講 全6回 金曜18:30~20:30
●会 場 さっぽろ自由学校「遊」
●受講料 一般6,000円 会員・学生4,800円(単発参加 一般1,500円 会員・学生1,000円) 

今も学校教育は、教育改革の名のもとに、めまぐるしく変わっています。そして、こどもをめぐる世の中もきびしさを増し「今のこどもは幸せ」という言葉は、もはや当てはまらないように見えます。こどもたちにかけられているさまざまな問題を、こどもたちと対等に向き合っていこうとする視点から考えていければと思います。

2004年10月1日(金)
若者に聞く

最初は軽い乗りだった。でも一旦受けたらとことんやりぬく、そんな子どもだった。学校で学ぶ気はなくて、必要なものは独学か、その道の先輩や友達から学んできた。そして、当たり前に学校を出て社会に出る人には見えない世界があることを知った。昼と夜の世界の真ん中あたりにいて、これから、自分のやりたいことがはっきりある。

2004年11月5日(金)
教育現場から考える

●北村 公一 (きたむら こういち)
札幌市小学校教員。昨年、浦河べてるの家訪問。タイ、カンボジア旅行、らくだ式プリントとの出会いなどを通して、目から鱗がおちる体験をする。現在、定年に向け、さまざまな活動を開始。定年まで教員を続けるための方策を研究中。

現場とはどこでも最前線であり、そこには真理や真実が存在し、生や死、喜びや悲しみなどもある。今の教育現場は確かに否定的な面はあるが、それなりにおもしろい所でもある。キ-ワ-ドは4つ。「ゆっくり」「まちがう」「子どもに聞く」「公開性」など。川柳、短歌、詩など書くという作業を通して、教育現場を客観的に見ることも大切だ。現場教員がやめないで、子どもたちと楽しみながら、生きぬいていく方策をお互いに考えていきたい。

2004年12月3日(金)
教育改革モデル地区?~岩見沢市の場合~

道内でも、あちらこちらで何故かこうしてはいられないとばかりに、”改革”と称してさまざまが試みられ実施されようとしています。その一つ、岩見沢市では来年度から中学校の学校選択制度が実施されます。それについて教育委員会は”指定された学校以外の選択が困難なのは硬直した制度だ。自らの意思で選べることは、子どもの意識を柔軟にするとともに、責任感を生じさせ、それが子ども一人ひとりの自己実現を図ることにもつながる”というような説明をしています。用いられる言葉こそもっともらしいけれど、なにやらうさんくさい。 選択制度ばかりではなく、さまざまな”改革”をしようとしている岩見沢市を例に、昨年まで同市の教員だったゲストとともに話し合います。

2005年1月1日(土)
東京は今

●予防訴訟を進める会
「10・23通達」(都教委が昨年10月23日に日の丸・君が代の扱い方を細かく指示し、従わない教員は処分するという文言もつけた通達)の撤廃を求めて、東京地裁に「国歌斉唱義務不存在等確認請求行政訴訟」を起こした人々とそれを支援する人たちの集まり。

東京からは10・23通達、再発防止研修命令、中高一貫校での「新しい歴史」教科書採択と、次々とんでもない出来事が伝わってきます。そこに子どもの姿は見えもしない。その上「今は成り行きを見ている他県も、いずれ東京の真似をする」(4月9日・石原東京都知事)などという、奢り高ぶった発言も聞こえます。これは歌や旗の強制に対して「立たない・歌わない・弾かない」運動を続けようとしている北海道への挑発? さまざまな問題を抱え込まされている東京の今を、それらをはねのけようとしている「進める会」の方に聞かせてもらいます。
*講座「『人権』の今と私たち」と合同企画

2005年2月4日(金)
子どもの権利・条例づくりの今

●佐々木 一(ささき はじめ)
1998年の講座「子どもの権利 どこに見える」をきっかけに始まった「子どもの権利学習会」には2000年、田中伸尚著『日の丸・君が代の戦後史』(岩波新書)の輪読等から積極的に参加。札幌市内の道立高等学校社会科の教師、現在は学習会の企画委員として当日の司会・運営を行っている。

札幌市では上田文雄さんが、公約の一つに「札幌市子どもの権利条例の制定」を掲げて当選しました。私の所属する「子どもの権利学習会」では、今年度『川崎発 子どもの権利条例』(エイデル出版)をテキストに学習してきました。日本が「子どもの権利条約」を批准して10年になる現在…なかなか「子どもの権利」が認知されないままになっているのはなぜかということ踏まえながら、市民参加による「子どもの権利条例」の制定に向けて、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。

2005年3月4日(金)
教育基本法と学校現場

●徳武 篤子 (とくたけ あつこ)
1985年から札幌市内の中学校で教職に就く。教科は社会科。教職員組合で支会の女性部委員や執行委員を経験し、勤務校以外の現場や子どもたちの状況に接する機会に恵まれた。現在、札幌市北区の新川西中学校に勤務。

日本国憲法施行後、すぐに教育基本法が制定されました。これは学校教育の中で、次世代を担う子どもたちに憲法の精神を根づかせ、再び戦争をおこすことのないように平和を構築する市民を育成するためです。しかし、現在、政府は憲法改悪に先立って、教育改悪を次々と打ち出しています。この講座を通して、政府が「子どもとどう向き合おう」と考えているのか、私たちができることは何かをみなさんと一緒に考えていけたらと思っています。

[社会]地域・社会を変える、新しい働き方、暮らし方

●10月15日(金)開講 全6回 金曜18:30~20:30 もしくは土曜昼
●会 場 さっぽろ自由学校「遊」ほか
●受講料 一般6,000円 会員・学生4,800円(単発参加 一般1,500円 会員・学生1,000円)

今、地域に根付いた「コミュニティービジネス」が脚光を浴びています。しかし、そこからは「グローバリゼーション」の補完物としての役割が透けて見えます。どうしても、その裏に国家の影を感じてしまいます。私たちは、生きること=働くこと=自立することの視点から、そんな仕事観を読み替えたいと思います。働き方を通じて、「自分が・社会が変わる」そんな合言葉を胸に「書を捨てずに、街に出る」講座です。

2004年10月15日(金)
地域をつくる思想と実践に学ぶ

●花崎 皋平 (はなざき こうへい)
1931年東京生まれ。さっぽろ自由学校「遊」共同代表。最近の著書『どこへ行く』(「遊」ブックレット)。現在「ピープルネスへ」という哲学の論文を『ピープルズ・プラン研究』誌に連載中。

過疎化が進み、地域の産業が疲弊する。公共事業や原発、企業などの誘致に地域の経済をゆだねることで、地域の環境が壊される。地域の自然や歴史に根ざした仕事の場が消えていく。 私たちの暮らし方、働き方を変えていくという小さな取り組みから、国や企業が主導する大きな流れに抗い、人と人、人と自然の豊かな関係を育む地域を取り戻せないだろうか。花崎さんのお話を伺い、みなでともに考えたい。

2004年10月30日(土) 11:00~14:00
楽しいことを暮らしの軸に

●永田 まさゆき (ながた まさゆき)
1952年生まれ。建築士・アトリエオン主宰。74~78年「たまごの会」農場創設に参加(茨城県)。84年より札幌在住。2003年、NPOあおいとり設立、代表。基幹事業として「講座・農的くらしのレッスン」を運営中。

結果的に私たちの暮らし方は、9時から5時まで会社で働きそれ以外は自由時間という ような社会システムを逸脱し、可能な限り労働も遊びも混然となった自分の時間・場所の維持の模索だったと思います。ハローワークへ行っても遊びの紹介はしてもらえません。やりたくない(面白くない)ことを避け、やりたい(面白い)ことを暮らしの軸にすることが私たちふう自立のイメージです。十分な展開にはまだ至っていませんが、その現場を見ていただければと思います。
*永田さん宅(札幌市西区)に集合です。敷地内にあるレストラン「やぎや」で昼食を食べます。食事代は各自でお支払いください。

11月開催予定【公開シンポジウム】
地域自立の経済へ向けて

●中村 尚司 (なかむら ひさし)
1938年生まれ。地域の経済的な自立を可能にする社会のあり方を、フィールド・ワークにもとづいて考える。生命系の循環性、多様性および関係性を基礎におく、広義の経済学をめざす。著書に『地域自立の経済学』(日本評論社)、『人びとのアジア』(岩波書店)など。
●コミュニティ・ビジネス実践者の方々
地域の資源を活かして、地域を豊かにすることに結びつくコミュニティ・ビジネスを行なっている方々と、スリランカなどで地域自立の経済を模索してきた中村尚司さんをお迎えします。さまざまな実践を中村さんの研究とつなげていくなかで、新しい可能性がみえてくるかもしれません。

2004年12月4日(土)13:00~15:00 ~地域で支えあう子育て~
子育て支援ワーカーズの取り組み

●NPO法人子育て支援ワーカーズ
「かざぐるま」「プーのいえ」「プチトマト」「ぐるんぱ」の4つのワーカーズで構成される。イベント託児などを請け負うほか、2002年より日之出歯科診療所と協働して「こどものへや&おもちゃぎゃらりー」を運営する。そこは日之出歯科で診察を受ける親が安心して子どもを預けられ、子どもたち自身が楽しく過ごせる場となっている。

働く場が欲しいという女性たちの思いが、子育て支援ワーカーズの設立につながりました。孤独な子育ての中で不安を感じている若い親たちを支え、「この街で子育てできてよかった」と実感できる地域社会づくりに貢献しています。その取り組み内容を具体的にお聞きすると同時に、働く人自身が出資し、協力しながら主体的に働くワーカーズコレクティブの可能性についてもお聞きしたいと思います。

2005年1月7日(金)
グリーンファンドが拓く地域自立の可能性

●鈴木 亨 (すずき とおる)
1957年北海道生まれ。自治体職員、生協職員を経て、99年NPO法人北海道グリーンファンドを設立、事務局長に就任し今日に至る。著書『グリーン電力ー市民発の自然エネルギー政策』(コモンズ)。

原発に頼らず、エネルギーを自分たちの手でつくることをめざしたグリーンファンドの運動は、市民出資による自然エネルギー発電所の建設を実現し、事業としても継続しています。一人ひとりの市民の行動が既存のシステムに変化をもたらしうること、持続可能な地域社会に結びついていくことを、その実践から考えてみたいと思います。

2005年1月21日(金)
コミュニティ・ビジネスの可能性

●越田 清和 (こしだ きよかず)
さっぽろ自由学校「遊」理事。アジア太平洋資料センター理事。ピナテゥボ山噴火で被災した先住民族アエタの支援・調査活動や、ODAについての調査・研究活動を行なう。著書に『ODAをどうかえればいいか』(コモンズ、共著)、訳書に『ピナテゥボ山と先住民族アエタ』(明石書店)などがある。

コミュニティ・ビジネスは、やろうと思えば誰でもできる「地域自立」の仕事です。しかし、そこには「新しい仕事」というだけにとどまらない大きな可能性があります。コミュニティ・ビジネスの調査をもとに、その可能性について考えたいと思います。

[社会]持続可能な社会を創る-国連・持続可能な開発のための教育の10年がはじまります-

●時 間 13:00~17:00 
●会 場 さっぽろ自由学校「遊」  
●受講料 単発 一般1,500円、会員・学生1,000円

2005年から「国連・持続可能な開発のための教育の10年(UNDESD:2005年~2014年)」が始まります。この国連キャンペーンは、日本のNGOと日本政府から2002年8月のヨハネスブルグサミットで提案され、国連総会で採択されたものです。これを契機に、世界が直面する環境と貧困の問題に同時に取り組む「持続可能な開発」の実現に必要な教育への取り組みが、より一層求められています。持続可能な社会を創るために北海道でどのような教育活動を推進していけばよいのか、様々なテーマでワークショップを行ないながら一緒に考えてみませんか?

2004年10月16日(土)
平和の種をまこう!~「自分からはじめる平和作り」を考える

●大川 誉芳(おおかわ たかよし)
岐阜県高山市出身、在日韓国・朝鮮人3世。札幌YWCA開発教育勉強会COROメンバー、北海道開発教育ネットワーク(D-net)会員、国際交流団体職員。

私達の日々の暮らしは、「平和」というひどく脆い環境の中で成り立っています。しかし、その環境はあっという間に破壊され、再び取り戻すには長い時間と膨大なエネルギーが必要になります。そんな平和を守るために、私達は何をすればよいのか、みんなで考えましょう。

2004年11月20日(土)
「誰が作ってるの?」~サッカーボールから見えるもの

●岡田 佳子(おかだ けいこ)
一人の母親として途上国で生活し人命の軽さにショックを受け、帰国後1年間大学で開発教育を学ぶ。ファシリテーターとして“感情”を大切にしたワークショップを目指す。D-net運営委員。

日本人の好きなスポーツ・ブランド製品ってどこで作っているんだろう? サッカーボールって誰がどんなふうに作っているの? その背景は? 日本で普通に売られている“モノ”から児童労働や途上国とのつながりを考えます。

2004年12月11日(土)
自然とのつながりを考えよう

●太田 稔(おおた みのる)
自然と共に育つことをメインテーマに自然体験型環境教育(共育)、コミュニケーションワーク、ワークショプを提供すべく全道を駆け回り活動中。企業、行政、市民団体と呼ばれれば参上する環境共育事務所うてきあに代表。

持続を可能にするためには何が必要だろう?自分たちは何ができるのだろう?明日から、今からできる自然と共生できることを考えてみましょう。

2005年1月22日(土)
北海道での持続可能な開発のための教育を考える

●山本 幹彦(やまもと みきひこ)
NPO法人「当別エコロジカルコミュニティー」理事長。「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議・運営委員。環境教育プログラムの開発、環境教育指導者養成、エコツアーの普及などに従事。書籍『子どもが地球を愛するために(センス・オブ・ワンダーブック)』(人文書院)監訳。

今までの講座のまとめとして、「持続可能な開発のための教育」を北海道で実践していくためには、何が必要か、どのようなことから取り組むのが良いのか考えましょう。

[社会]ピープルズ憲法をつくってみよう

●10月19日(火)開講 全8回 火曜18:30~20:30
●会 場 さっぽろ自由学校「遊」 
●受講料 一般8,000円 会員・学生6,400円(単発参加 一般1,500円 会員・学生1,000円)

「憲法改正」という声が広がり始めています。その一方で「護憲」というのは、何だか時代遅れのような感じもします。でも、そもそも憲法って何? 私たちとどういう関係があるの? そんなところから話をしませんか。憲法9条を見れば分かるけれど、どんなにいい憲法でも、それが実現しなければ意味がない。だから、言葉だけ考えてもダメかも知れないけれど、ともかくみんなでもう一度、憲法について話しましょう。

2004年1月11日(日)
憲法ってどうやってつくられるの?

●杉浦 ちゑ (すぎうら ちえ)
東京下町、台東区(元浅草)1925年生、元牧師。どちらかと言うと、牧師らしさより、下町育ちの権力にには屈しまいとの気質が本性と自覚。戦前回帰の機運濃厚の今、市民が憲法の再確認し、明日からの国の在り様を考えたい。
●越田 清和 (こしだ きよかず)
私たちの多くには、憲法を自分でつくったという実感がありません。学校で「憲法」を教えられ、条文を覚えさせられた記憶しかありません。でも日本にも、その憲法を自分のもの、新しい時代の始まりと熱く受けとめた人たちがいます。世界に目を向けると、タイ、東ティモール、南アフリカでは、参加型で憲法がつくられています。憲法ってどうつくられていくのか、どうやってつくられればいいのかを、考えましょう。

2004年10月19日(火)
憲法ってなあに?

●結城 洋一郎 (ゆうき よういちろう)
1947年生まれ。小樽商科大学商学部教授。研究分野は憲法学。共著に『平和と国際協調の憲法学』(勁草書房)など。市民運動関係では、小樽再生フォーラム前議長をつとめ、現在は住基ネット差止め訴訟を支援する会・北海道共同代表。

憲法とはそもそも、国家権力を制限し、国民の権利・自由を保障しようとするものです。その憲法がいま、国家による権力の濫用によって骨抜きにされようとしています。いま一度、憲法の意義と役割振り返りつつ、日本国憲法について考えてみたいと思います。改憲論にもふれながらお話していただきたいと思います。

2004年11月2日(火)
自分で憲法をつくろうとした人たち

●花崎 皋平 (はなざき こうへい)
1931年東京生まれ。さっぽろ自由学校「遊」共同代表。最近の著書『どこへ行く』(「遊」ブックレット)。現在「ピープルネスへ」という哲学の論文を『ピープルズ・プラン研究』誌に連載中。

明治国家の創設期には、立憲国家をどう形成するかについて、熱い議論がありました。憲法草案が民間からいくつも出されました。最も有名な憲法案は植木枝盛の東洋大日本国国憲案です。その他に注目すべきものとして、千葉卓三郎の憲法案(八王子の旧家の土蔵の名から見つけだされたもの)についても紹介したいと思います。

2004年11月16日(火)
各党の憲法案を知る(1)~自民党~

自衛のための戦力保持を明記し、集団的安全保障の権利を行使できるようにしようという自民党の憲法改正案。「基本的人権の尊重」と利己主義の蔓延を結びつけて、家族と国家に対する国民の義務を強化することも議論されています。自民党が主張する憲法改正のポイントを整理し、それによって何が持たされうるのか考えてみたいと思います。
*自民党の方に来ていただけるよう交渉中です。場合によっては、資料による学習となるかもしれません。

2004年12月7日(火)
各党の憲法案を知る(2)~民主党~

●片桐 しん (かたぎり しん)
1965年生まれ。雑誌編集者を経て『社会新報』記者。北海道支局勤務中に社民党の大半が民主党結党に参加、これに同行する。現在札幌支部の機関紙編集長、市議会民主党政策審議会事務局長。仕事外では障害者介助、『えぬぴおん』の前身『ノード』の編集、「政治スクール札幌」、「日本の戦後責任を清算するため行動する北海道の会」に携わる。本籍・市民運動、現住所・民主党を自覚(戸籍制度は反対)。
民主党の憲法論議の現状とその幅の広さについて報告します。 

2004年12月14日(火)
各党の憲法案を知る(3)
~共産党~
●紙 智子(かみ ともこ)
1955年札幌市生まれ。2001年7月参議院議員選挙、比例代表で当選。現在、日本共産党中央委員、参院農林水産委員、予算委員、沖縄北方特別委員会。家族は夫。趣味はスキー、山歩き、絵画、料理。

憲法を守るという立場から、 共産党の憲法に対する考え方を語っていただきます。

2005年1月18日(火)【ワークショップ】
私たちの憲法(ピープルズ憲法)をつくろう(1)~何が必要か~

この講座で学んだことを踏まえて、私たちの憲法をつくってみたいと思います。憲法には何が必要か検討するところから取り組みます。憲法は国家から押し付けられるものではなく、私たちが国家と結ぶ契約です。ピープルズ憲法づくりを通じて、憲法を市民の手に取り返したいと思います。

2005年2月1日(火)【ワークショップ】
私たちの憲法(ピープルズ憲法)をつくろう(2)~ふつうのことばで考える~

いくらいい憲法でも堅苦しい言葉だと伝わりづらいし、使いづらい。前の回で検討した憲法案をふつうのことばを使って具体化します。前回と同様、これらの作業を通して、いまある憲法を読み解き、憲法を市民の手に取り戻すことにつなげていきたいと思います。

[社会]「人権」の現在(いま)と私たち

●10月27日(水)開講 全6回 18:30~20:30
●会 場 さっぽろ自由学校「遊」
●受講料 一般6,000円 会員・学生4,800円(単発参加 一般1,500円 会員・学生1,000円)

私たちは今、魂の戒厳令下を生きています。人類が長年に渡り築き上げてきた、そして人間たることにより当然に有し、公権力によって侵されず、普遍的な権利である人権は、今、私たちの国にあっては目を覆わんばかりの状況下にあります。しかし、マスコミ等でとりあげられるのは、ほんの一部でしかありません。そんな人権の現在をさまざまな部門から照射することにより、私たちがどんな場所に立っているのか、そしてこれからどこへ向かえばよいのか、一緒に考えたいと思います。

2004年10月27日(水)
ジェンダーフリー・バッシングの

●淺松 千寿 (あさまつ ちひろ)
京都市出身。1988年司法試験合格。2年間の修習を経て91年4月より札幌にて弁護士登録。93年中村淺松法律事務所設立。現在札幌弁護士会「両性の平等に関する委員会」副委員長、日弁連「両性の平等に関する委員会」副会長。家庭問題(離婚・相続等)や女性問題(セクシュアルハラスメント・ドメスティックバイオレンス)を中心に弁護士活動を行っている。その他公職として現在北海道情報公開審査会委員。

弁護士という仕事を通じてみえた、あるいは一人の女性として考えた、ジェンダーフリーの現状とバッシングの問題点を語っていただきます。

2004年11月19日(金)
ハンセン病回復者さん宿泊拒否、なぜ?

●平中 忠信 (ひらなか ただのぶ)
1926年札幌生まれ。戦後、北海道社会福祉協議会、北海道共同募金会に勤め、本道の社会事業史の調査執筆に当る。77年北海道ハンセン病協会理事に参画し、道出身者を訪問。熊本地裁判決後その回復者のボランティア。北海道はまなすの里を設立、代表となり活動する。

日本のハンセン病(らい)政策は、明治以来特定医師と政府により、無らい県運動の強制収容等により絶対終生隔離、患者絶滅策を「らい予防法」廃止の1996年迄約100年続けられた。昨年11月熊本の黒川温泉のあるホテルがハンセン病回復者の宿泊拒否事件を起こし、回復者がホテルに抗議すると蔑視、中傷の紙つぶてが百十数件送られ来た。なぜか?

2004年12月16日(木)
職場の人権

●鈴木 一 (ずずき はじめ)
1954年札幌生まれ。高校時代にベトナム反戦や水俣病患者の闘争支援を体験。高卒後、長距離トラックの運転手など多様な職業を経て、90年より労組専従。労働相談活動と新たな労働組合の組織化に力を入れてきた。

なぜ雇用破壊がおこったのか、その実態はどのようなものなのか、具体的な例をあげながらお話していただきます。機能しない労働組合の問題点に触れていただくのと同時に、職場でのトラブルにどのように対処したらいいのか、組合はどうやって作るのかも教えていただきたいと思います。時間にゆとりがあれば、内部告発の話もしていただけるかもしれません。

1月開催予定
東京は今

●予防訴訟を進める会
「10・23通達」(都教委が昨年10月23日に日の丸・君が代の扱い方を細かく指示し、従わない教員は処分するという文言もつけた通達)の撤廃を求めて、東京地裁に「国歌斉唱義務不存在等確認請求行政訴訟」を起こした人々とそれを支援する人たちの集まり。

東京からは10・23通達、再発防止研修命令、中高一貫校での「新しい歴史」教科書採択と、次々とんでもない出来事が伝わってきます。そこに子どもの姿は見えもしない。その上「今は成り行きを見ている他県も、いずれ東京の真似をする」(4月9日・石原東京都知事)などという、奢り高ぶった発言も聞こえます。これは歌や旗の強制に対して「立たない・歌わない・弾かない」運動を続けようとしている北海道への挑発? さまざまな問題を抱え込まされている東京の今を、それらをはねのけようとしている「進める会」の方に聞かせてもらいます。
*講座「こどもたちをとりまく世界を考える」と合同企画

2005年2月18日(金)
滞日外国人フレームアップ

●有道 出人(あるどう・でびと)
1965年アメリカ生まれ。コーネル大で政治学を学ぶ。北海道情報大学助教授。2000年10月帰化。現在、小樽温泉における人種差別の件で札幌高裁にて係争中。著書「ジャパニーズ・オンリー 小樽温泉入浴拒否問題と人種差別」(明石書店)。http://www.debito.org/

「外国人犯罪」が度々報道され、「史上最多」「対策必要」などと警察庁、小泉内閣、宮内庁も訴えています。しかし、これはある部分「フレームアップ(でっちあげ)」です。「外国人犯罪の急増」は大げさか、または捏造と言っても過言ではありません。この講座では、歪められた犯罪統計の報道、そしてその結果とられる「対策」の意図を検証します。サッカー杯札幌開催時の「反フーリガン対策」にも言及します。

2005年3月18日(金)
まとめのディスカッション

これまでの講座を振り返り、課題を整理してディスカッションします。私たち一人ひとりにとっての人権を考えると同時に、それを守り抜いていくための方策を検討したいと思います。

[社会]自分で政治を変えちゃおう!~えっ!? 私にもできるの?~

●2月8日(火)開講 全6回 火曜18:30~20:30
●会 場 さっぽろ自由学校「遊」 
●受講料 一般6,000円 会員・学生4,800円(単発参加 一般1,500円 会員・学生1,000円)

「政策」は、どこか遠くで決まるもの。自分は政治のことなんてわからないし、何の力もないし…と、「何か変だな」、「こんな政策ヤダなー」と感じても、そんなもんでしょって、あきらめていませんか? この講座では、ホントーに自分で政策変えちゃった人たちをお招きして、どうやって実現できたのか、そのノウハウを大公開してもらっちゃいます! 政治なんてぜーんぜんわからなくても、基本からやるので大丈夫。自分の住む国ですもん、自分で創っていきまっしょう♪

2005年2月8日(火)
国の政策はどうやって決まるの?

●山口 二郎 (やまぐち じろう)
1958年岡山県生まれ。東京大学卒。北海道大学法学部教授(行政学)。政治改革、行政改革に関する制度論的検討などについて研究中。著書に『自治と政策』、『日本政治 再生の条件』などがある

政策について何か行動を起こすためには、その政策がどんなふうに決められてるのか知らなければ、何から始めていいかわかりませんよね。この回では、国の政策がどのように決まるのかを学びたいと思います。なんで自衛隊はイラクに行ってるの? 年金は? 食糧は? などなど、実は身近なことなのに知らないうちに決められていく「国の政策」に、選挙以外で市民に打つ手があるのか? わかりやすくお話しいただきます。

2005年2月15日(火)
地方の政策はどうやって決まるの?

●森 啓 (もり けい)
徳島県生まれ。中央大学法学部卒。神奈川県自治総合研究センター研究部長等を経て、現在、北海学園大学法学部教授。主な著書に『市民文化と文化行政』、『自治体の政策課題と解決方策』などがある。

第1回に引き続いて政策決定プロセスを学ぶ地方編です。地方政策は国政よりは変えやすい気がしますが、果たしてどうなのでしょう。私たちの生活に密着している地方政治、それはどのように決定されているのか? より有効な戦略を練るために、地方政策の落としどころを探ります!

2005年3月1日(火)
歴史的建造物を守るのは、 私たちです 

●東田 秀美 (とうだ ひでみ)
NPO法人旧小熊邸倶楽部代表。まちづくりの有効な手段として、北海道内の歴史的建造物を保存、再生、活用する活動を行なっている。目標は、住民から頼りにされる「地域遺産コンサルタント」。

増毛小学校、中標津旧農業試験場、札幌の旧小熊邸や廃校利用など、地域からの要望で保存活動が始まり、行政を巻き込んだ形で再生活用に結びつけた具体的な事例をもとに、行政と友達になる方法・上手なケンカのやり方・仲直りする方法から親友になる方法まで、リアルにお伝えしたいと思います。

2005年3月8日(火)
環境基本条例をつくったのは、 私たちです 

●山下 泰生 (やました やすお)
1946年生まれ。札幌旭丘高校卒。20才代から社会運動に参加。1996年、札幌市環境保全協議会会長。現在、環境市民連絡会代表、循環社会をつくる市民の会代表。

1994年、情報公開と市民参加の手法による、札幌市の環境基本条例づくりに参加。市民草案を作成し、後追い追及型ではなく、先行提案型の運動を展開しました。その結果、行政側に、スケジュールの変更、公聴会の開催、説明責任の履行をさせることができました。そこに到るまでの経緯や、その後のことなどをお話いたします。

2005年3月15日(火)
千歳川放水路をつくらせなかったのは、 私たちです

●小野 有五 (おの ゆうご)
1948年東京生まれ。北海道大学大学院地球環境科学研究科教授。市民団体「北海道の森と川を語る会」代表。著書に『自然をみつける物語』(全4巻)などがある。

自然や環境の問題はさまざまです。ある日とつぜん、目の前にあった木が伐られる、森がなくなる、川が改修されてしまう。そういうことが日常的に起きるのが日本という国家です。それをイヤダ! と思ったとき、一個人はどうすればいいのか。どうしたら闘えるのか。10年間、反対してようやく中止させることができた千歳川放水路計画を例としてお話ししたいと思います。

2005年3月22日(火)【まとめのワークショップ】
思いを形にするためには

●小泉 雅弘 (こいずみ まさひろ)
1962年神奈川県生まれ。さっぽろ自由学校「遊」設立以来、事務局スタッフとして市民の学習活動のコーディネートに関わる。北海道開発教育ネットワーク(D-net)などで参加型学習のファシリテートも行なう。

「社会のここが変だ・・・」「こんな社会にしたい・・・」という自分たちの思いを出し合いながら、それを現実の政策に反映させていくためにはどのようなアプローチがあり得るのか、みなでアイデアを出し合いながら考えてみましょう。社会を変えていくイメージが見えてきたら、さあここからが始まりです。

[社会]心地よい関係をつくりたいね 生き方としての恋愛・結婚・家族を考える

●2月9日(水)開講 全4回 水曜18:30~20:30
●会 場 さっぽろ自由学校「遊」 
●受講料 一般4,000円 会員・学生3,200円(単発参加 一般1,500円 会員・学生1,000円)

恋愛や結婚には「幸福」のイメージが張り付いています。でも、結婚の幸福と同じように結婚の不幸もあり、至福の愛に彩られた恋愛の裏に激しい憎悪に満ちた恋愛もあります。積極的に孤独を選び取ることをも視野に入れながら、「他者とつながること」「心地よい関係をつくること」を考え合いましょう。

2005年2月9日(水)
恋愛の社会史

●細谷 洋子 (ほそや ようこ)
1948年生まれ。あごら、フェミニズムの会、私たちのアクションプランなどに参加して、女性が生きやすい社会の実現をめざしてきた。近年は女性政策が中心だったが、主婦論、家族論は長年とりくんできた課題でもある。

性と恋愛と結婚を三位一体とするロマンティック・ラブ・イデオロギーは、明治期からのたかだか 100年間の近代概念に過ぎません。恋愛や結婚のこれまでを概観し、自分の中に内面化されているものを考えたいと思います。

2005年2月23日(水)
異性愛にこだわらない恋愛・家族

●ゲストを迎える予定です
恋愛をするのも、家族をつくるのも、男と女=異性間でのみおこることではありません。セクシュアリティの多様さは、他者との関係のつくりかたの多様さに結びつくのかもしれません。異性愛というくびきからのがれて、恋愛と家族について考えてみませんか? 私たちを取り巻く常識を一緒に見つめ直しましょう。

2005年3月23日(水)
小説・映画に描かれた恋愛を考える~冬のソナタを題材として~

●ゲストを迎える予定です
大ブームとなった韓国のドラマ「冬のソナタ」。そこに描かれている純愛から、恋愛・結婚に関する価値観を見つけだしてみませんか。ドラマや映画、小説などを通じて、知らず知らずの内に刷り込まれてきた「幸せ」観についても語り合ってみたいと思います。

2005年3月30日(水)~まとめのディスカッション~
恋愛・結婚・家族の現在

●都築 仁美 (つづき ひとみ)
1968年生まれ。子なし、独身、おまけに貧乏。世にいう負け犬よりも、負け犬ぶりはすごいかも、と思うけれど、結構幸せ。支配・被支配、依存や嫉妬から自由な関係を探したい。だけど、これが結構難しい。さっぽろ自由学校「遊」事務局スタッフ。

ベストセラー『負け犬の遠吠え』の恋愛・結婚・家族観を手掛かりにしながら、複雑に絡み合った制度と思い込みから自分を解放し、他者との心地よい関係とはどんな関係か、そのためには何が大切か、を語り合いたいと思います。