「遊」とは

さっぽろ自由学校「遊(ゆう)」は
市民がつくる、市民に開かれたオルタナティブな学びの場です

人権、平和、開発、環境、ジェンダー、多文化共生など私たち市民が未来に向けて取り組むべき課題について、共に語り合い、楽しみながら共に学び合います。そして、私たち一人ひとりが出会いと共同作業の中で、新しい社会の担い手としての力をつけていく、そんな場を目指しています。
※オルタナティブ:「今のあり方とは違う、未来に向って開かれた」 もの・こと・関係

さっぽろ自由学校「遊」は、1990年に設立されました。その最初の呼びかけを引用します。

「私たちの住む世界は、めまぐるしい変化を見せています。東欧諸国の自由化の波、アジア・第三世界の解放の動きから私たちのすぐ身近な食べ物、環境、文化まで、新しい<価値>が生み出されようとしています。そして、その主人公はどこかの偉いさんではなく、一人ひとりの<わたし>のはずです。自由学校「遊」は、そんな<わたし>が出会い、学び合い、<わたし>と<世界>との新しいつながりを創りだすことを願ってつくられました。」

今、21世紀の入り口に立って、新たに以下のことを目指します。

自立と共生
さっぽろ自由学校「遊」は、この呼びかけにあるように自由で自立した市民として、国籍や国境を超えて広くアジアや世界の草の根の市民とつながり、共生するための生き方、知識、技法を身につける場となることを目指します。

平和と人権
さっぽろ自由学校「遊」はまた、一人ひとりの市民が、かつての植民地支配と侵略戦争が他の諸国の人々にもたらした加害の歴史を認識し、その罪に対する反省を共にし、平和と民主主義、正義と人権の理念を、市民社会の日常倫理として身につける場となることを目指します。

交流と提案
さっぽろ自由学校「遊」はまた、教える者と教えられる者の関係が固定した、従来の教育制度上の「学校」ではなく、市民が、考えや知識や技能を相互に交換しあい、お互いのより良い生き方、お互いが恵みを受けている地球環境と人間社会の共生のあり方を探求し、提案し、行動のきっかけを見つける学び合いの場として発展することを目指します。

さっぽろ自由学校「遊」はこんな活動をしています

講座・ワークショップ・ツアーの開催

さっぽろ自由学校「遊」(以下、「遊」)の活動の中心は、年間を通して開講している連続講座・ワークショップです。講座には誰もが参加でき、実際に世代や職業を越えて多様な人々が参加しています。講座を通して、社会の課題に気づいたり、市民として身につけたい技能を学んだりするとともに、様々な人との立場を越えた出会いの中で新しい自分を発見することでしょう。

私たちの生きる社会の課題と向き合い、 未来へとつなげる

人権、平和、環境、開発、文化など私たちが市民として未来に向けて取り組むべき課題をテーマとした様々な講座を開講しています。講座のテーマは社会情勢や受講者のニーズを考慮に入れながら組み立てられます。

異文化間のコミュニケーション

「遊」の講座のもう一つの柱は、英語、ハングル(韓国語)、中国語などの語学コースです。会話力をつけるためだけではなく、言葉の背後にあるその国の文化や社会についての理解を深めることも「遊」の語学講座のねらいです。

自分たちの文化を取り戻す、力をつける

「遊」では、アイヌ文様デザインなどの文化・芸術を学ぶ講座や、ワークショップのファシリテートや調査研究など、市民活動に必要な技能を身につけるための講座も行なっています。一人ひとりの市民が様々な「力」をつけていくことが、民主的で文化的な社会を創り出していくための基盤となります。

これらの年間を通して開講している連続講座・ワークショップの他に、より広範な市民の参加を想定した公開の講演会や映画上映会なども随時行なっています。

オルタナティブ・ツアーの実施

環境や開発を考える海外へのツアーや、観光旅行では味わえないもうひとつの北海道を体験するツアーを実施します。
教室の中の勉強だけでは、どうしても理解できない事があります。現地に直接飛んで行き、実体験をします。頭の中で苦労しても判らなかった問題が、体で体験する事で解けるかもしれません。

アイヌ民族の文化や歴史に触れる、開発や自然を考えるといった、北海道に密着したツアーや、広島などの日本各地での企画を立てています。

海外では、現地のNGOなどの協力を受けているため、一般の旅行では見る事のできない、その地域の側面を知ることができます。これまで海外へは、ソロモン諸島、カンボジア、韓国、台湾などに飛んで行っています。

出版・情報提供

グループや個人の学習用ブックレットの出版や、通信「ゆうひろば」、ウェブサイト、メーリングリスト等を通じての市民活動や市民学習に関する情報提供を行ないます。

通信「ゆうひろば」

通信「ゆうひろば」はB5判16ページで、活動報告、活動スケジュール、受講者の感想、コラム、総会報告などが掲載されます。年間10回発行され、会員の方に郵送されます。

ウェブサイト/SNS

ウェブサイトとSNSには、講座案内、通信の内容の他、「遊」および他団体による講演会などの情報が掲載されます。

メーリングリスト

メーリングリストでは、登録者は情報を一方的に受け取るのみでなく、自ら発信者となる事が可能です。「遊」では、情報提供および意見交流を目的としたメーリングリストを開設しています。

出版物

この他、「遊」ブックレットや、一般の書店では手に入りにくいNGO・NPO関連書籍の委託販売を行なっています。

教材・プログラム開発/人材育成

市民が主体となる社会を創り出すには、新しい学習のスタイルとその推進役となる担い手が必要です。「遊」では、開発や人権などをテーマとした学習教材やプログラムの作成および参加型学習を促進するファシリテーターの育成に向けたトレーニングを行ないます。

調査・提言活動

人権、平和、環境、開発、文化など私たちが市民として未来に向けて取り組むべき課題やテーマについて、調査や提言活動を行います。

市民による学習ネットワークの形成

「遊」は、様々な社会的テーマとそれらに取り組む人々、それらを学ぼうとする人々が交錯し、重なり合う場です。「遊」の学習活動は様々なテーマに取り組む諸団体、諸個人とのネットワークなしには存在できません。また、積極的に地域やセクターを越えた国内外のネットワークをつくりだしていくことで、社会を変えていくための推進力を生み出していきます。