18. 「和人問題」をあぶり出せ―なぜマジョリティは特権に無自覚か? part2

 「座談会 先住権の回復に向けて」が今年2月と3月に行われ、そのレポートが「遊」の公式Facebook で7月に
公開されました。マジョリティである和人は、アイヌ民族が置かれている状況や課題にどのように向き合うべきか? 
活発な議論で深く掘り下げられています。本講座のコーディネーターも、和人問題の根深さについて、やっと「自
分事」として気づき、問い直し始めました。

日程10 月15 日(水)開講 全6回 18:45 ~ 20:45
会場さっぽろ自由学校「遊」(愛生舘ビル5F 501A) ※オンライン(Zoom)併用
参加費通し 一般6,000 円 会員4,800 円 25 歳以下2,400 円
単発 一般1,500 円 会員1,000 円 25 歳以下500 円
コーディネーター長岡伸一(元NHK 札幌放送局 番組制作ディレクター)
第1回
10/15(水)

「アイヌ語には文字が無い」という語りについて
◼葛野大喜( 北海道大学大学院文学院博士課程2年)

 文字社会と優劣をつけるための「アイヌ民族・アイヌ語には文字が無い」という語りは見直す必要があります。口承されたアイヌ語を文字に書きおこして記録する試みは、西洋人や和人によって古くから重ねられて来ました。また、アイヌ自身も表記法を考案し記録、和訳などの取り組みを続けて来ました。そもそも、文字の使用を必要とする社会とは何か? 考えてみましょう。
第2回
11/19(水)
“ われら” の植民地主義を考える―どこから来たのか、なぜ続いているのか
◼飯島秀明(平取「アイヌ遺骨」を考える会 会員)

 アジアの一員である日本はいつからアジアを蔑視し、先行する帝国主義諸国に伍して近隣諸国の侵略・植民地化に走ったのでしょうか。敗戦後、生まれ変わった「平和国家」日本は植民地支配の責任に向き合い、歴史的不正義の清算に努めて来たのでしょうか。憲法の責任を含め、戦後民主主義が置き忘れてきた課題を考えます。
第3回
12/17(水)
「先住民族」はどのように広がったか物語①―アイヌ民族と「旧土人」
◼上村英明( 市民外交センター元代表、国会議員〈れいわ新選組〉)

 国連の会議にアイヌ民族の代表団が初めて出席したのは、1987年でした。実現を支援したのは、草の根NGO の市民外交センターです。日本国内では1899年に制定された「北海道旧土人保護法」が続いていました。「先住民族」という新しい概念が世界共通の課題となる中で、アイヌ民族の復権は、どう進んだのでしょうか?
第4回
1/21(水)
「先住民族」はどのように広がったか物語②―琉球民族と平和と人権
◼上村英明( 市民外交センター元代表、国会議員〈れいわ新選組〉)

 国連会議への琉球民族の参加は、市民外交センターの支援の下、1996年から始まりました。「沖縄県民」として米軍基地に反対する平和運動が主流の中、その後、琉球民族自身の手でNGO が結成され、先住民族として世界に訴える活動を20年以上続けています。権利回復運動の未来への可能性を、ともに考えてみましょう。
第5回
2/18(水)
北海道大学「創基」150 周年とは何か?
◼ジェフ・ゲーマン( 北海道大学大学院教授、アイヌ政策検討市民会議代表)

 2026年は北海道大学の「創基」150周年とされ、大学がお祝いムードに包まれています。が、2022年に創設された「アイヌ共生推進本部」という学内委員会の活動は大学の外にほとんど見られないのが現実。創設150年間の植民地の歴史に大学はどのように向き合おうとしているのか、大学の責任とは何か、改めて問い直してみたいです。
第6 回
3/18(水)
直木賞受賞作『熱源』に描かれた樺太
◼長岡伸一( さっぽろ自由学校「遊」会員)

 川越宗一・著『熱源』は、「日本人にされそうになったアイヌ」(文春文庫の裏表紙より)を主人公とする、壮大なスケールの冒険歴史小説です。中川裕・著『ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化』(2024)の第6章と、岡和田晃・編『現代北海道文学論』(2019)の「『惑星思考』という民衆史」を手がかりに再読しましょう。


参加申込

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