19.「和人問題」をあぶり出せ―なぜマジョリティは特権に無自覚か?

 2024年10月、 佐々木史郎・北原モコットゥナㇱ(監修・著)『最新アイヌ学がわかる』(A&Fブックス)が刊行されました。様々な専門研究分野の最新成果がこの一冊に凝縮され、従来のアイヌ観を塗り替えました。本講座は、特に2つの論考—東村岳史「『和人学』の勧め」と北原モコットゥナㇱ「マジョリティの特権性」に触発された企画です。和人のアイヌに対する差別や植民地主義を「和人問題」として捉え、意識変革を試みます。

日程2025年5月21日(水)開講 全5回 月1回水曜18:45~20:45
 5/21、6/18、7/16、8/20、9/17
会場さっぽろ自由学校「遊」(愛生舘ビル5 F 501A) *オンライン(zoom)併用
参加費通し 一般5,000円 会員4,000円 25歳以下2,000円
(単発 一般1,500 円/ 回 会員1,000 円/ 回 25 歳以下500 円/ 回)
コーディネーター長岡 伸一(元NHK 札幌放送局 番組制作ディレクター)

第1回 5月21日(水)
近代のアイヌの経験を
日本語で文学として描くこと

◼岡和田 晃 ※オンライン登壇
 文芸評論家・現代詩作家

 日本語で書かれた「アイヌ文学」のうち、十津川光子(朝海さち子)、鳩沢佐美夫、向井豊昭、ひだかたかし(福澤稔)らの仕事を、時代・社会の状況をふまえて紹介し、アイヌの近代の経験と、その語られ方を考えます。

第2回 6月18日(水)
何人のご遺骨も、人としての1丁目1番地だ。

◼木村 二三夫
 アイヌ・琉球民族に関する研究倫理指針を考える会 代表

「アイヌ ネノ アン アイヌ」は、「人である人」「人間らしい人間」という意味のアイヌ語です。先住民族にいまなお苦しみを強い続ける「植民地主義的研究」の過ちを反省し、人間らしい学問のあり方について考えていくことを、私たちは学界に求めます。

第3回 7月16日(水)
「和人入植者」を自称して見えだしたコト
北海道在住取材記者の悶々

◼平田 剛士
 フリーランス記者

 入植者植民地主義の入植者って、オレのことだよ……。そう自覚しつつヤウンモシㇼに住み続けて「アイヌ報道」に携わる講師が、どうしたら自らの歴史的不正義をあがなえるか、日々の自問自答と試行錯誤をお伝えします。

第4回 8月20日(水)
マイノリティ女性の複合差別に取り組んで

◼多原 良子
 一般社団法人メノコモ代表

 講師は、マイノリテイ女性に対する複合的差別が存在する現実を見える形に表し、マジョリティの意識変革に繋げ、国際人権基準を活用し条例や法整備してきました。アイヌ女性のエンパワメントを推進する活動から学びます。

第5回 9月17日(水)
元々持っているんだから特権と思ってないんでしょ

◼原田 公久枝
 フリーペーパー「RUYKA ITAK」代表

 関心のある人は自分を“ 寄り添っている良い人”と思うことでアイヌにはほっかむりして、関心の無い人はアイヌなんぞ捨て置く—。和人と呼ばれる日本人は、どの立場でもアイヌのことなど考えなくても良いことになっている現状について考えます。

参加申込

・講座のお申込は以下の申込フォームにご記入のうえ、送信ください。
・参加の流れはこちらのページをご確認ください。
・自動応答メールにて受講料のお支払い方法(郵便振込)をご案内しますので、受講前にご入金ください。
※対面参加の場合は会場で現金にてお支払いいただくこともできます。

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