戦間期日本では、女性の職業進出が活発になり、「職業婦人」という言葉が注目を集めました。労働運動に参加する女性が増え、女性労働者についての研究や女性労働者を描く文学活動も活発化しました。本講座では、『労働をめぐるシスターフッド―プロレタリア文学・フェミニズム・労働研究』(北海道大学出版会、2025 年3月刊行)の著者6名が、戦間期日本における女性労働をめぐる女性たちの様々な活動についてお話します。
日程 | 2025年4月28日(月)開講 全6回 月曜18:30~20:30 4/28、6/2、7/7、8/4、9/8、9/29 |
会場 | さっぽろ自由学校「遊」(愛生舘ビル5 F 501A) *オンライン(zoom)併用 |
受講料 | 通し 一般6,000円 会員4,800円 25歳以下2,400円 (単発 一般1,500 円/ 回 会員1,000 円/ 回 25 歳以下500 円/ 回) |
後援 | 一般社団法人 北海道大学出版会 |
コーディネーター | 水溜 真由美(北海道大学教授) |
第1回 4月28日(月)
女性労働者たち
繊維産業における労働運動と表現
◼辻 智子
北海道大学教授
本書の意図や執筆メンバーでの共同的な研究活動の経過や意義など刊行に至るまでの経緯を紹介した上で、戦間期
(1920~30年代)の日本における女性と労働をめぐるダイナミックな活動・運動の展開とそこで生みだされた「表現」についてとりあげ、それらを可能にした状況について考えます。
第2回 6月2日(月)
三瓶孝子
『日本綿業発達史』が描いた紡績女性労働
◼広瀬 玲子
北海道情報大学名誉教授
三瓶孝子(1904年生まれ)は福島県に生まれ、高等女学校卒業後に東京女子大学高等部・早稲田大学経済学部聴講
生として学問の道を歩みます。『日本綿業発達史』のなかで紡績女性労働をどのように描いたかを見ていきます。
第3回 7月7日(月)
桟敷ジョセフイン(よし子)
倉紡万寿工場の女子寄宿舎・ 教化係として
◼岸 伸子
札幌女性史研究会代表
桟敷ジョセフイン(よし子・1902年生まれ)は北星女学校(札幌)を卒業し、倉敷紡績万寿工場の若年女子労労働者の教化係となりました。1930年に賃上げ、生理休暇などを要求した万寿工場争議はどのように組織されたのか、考察します。
第4回 8月4日(月)
奥むめお
「家庭婦人」と「職業婦人」を架橋する女性たちの協同運動
◼亀口 まか
龍谷大学教授
奥むめお(1895年生まれ)は101歳で亡くなるまで戦後の主婦の運動、消費者運動をけん引したことで知られます。一方、戦前の奥は、自らが進むべき女性運動の道を模索していたのであり、この時期に奥が試みた女性の連帯について考えます。
第5回 9月8日(月)
佐多稲子
プロレタリア文学における女性の労働とコミュニケーション
◼上戸 理恵
札幌大谷大学講師
佐多稲子(1904年生まれ)は長崎県に生まれ、一家で上京した後、小学校を中退して労働の世界に飛び込みました。プロレタリア作家として出発した佐多のいくつかの作品から、女性たちの多様な労働空間がどのように描き出されているかを考察します。
第6回 9月29日(月)
松田解子
「おりん」三部作における女性労働者像
◼水溜 真由美
北海道大学教授
松田解子(1905年生まれ)は秋田県荒川鉱山に生まれ高等小学校卒業後に鉱山事務所でタイピストとして働きました。松田の母は鉱山労働の経験者でした。松田の自伝的小説である「おりん」三部作における女性労働者像について考察します。
参加申込
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